作品解説『黒い森』

今回は中2生のソロ作品『黒い森』を紹介します。
プリボの発表会とおさらい会では、ソロやデュエットは申し込み制で希望すれば踊ることができます。子どもたちもよく考えていて「〇年生の発表会は小品で〇年生のおさらい会でデュエットで〇年生の発表会ではソロを踊りたい」みたいに自分の成長に合わせて計画しているようです。さらにソロを申し込んだときに、物語や小物語の中でのソロを割り振られるとキャラクターを演じることになります。なので今回の『黒い森』のように小品集の中で自分の作品を踊ることができるのはあまりないことなのです。
前振りが長くなりました。
この作品はコロナ禍だから生まれた作品です。出口が見えない暗い世界に入り込んでしまい、打ちひしがれ、困惑し、どうしていいかわからない。それでももがき、迷いながらも出口を求めて手を伸ばす。
そんな今の状況を中学2年生の心に落とし込んで表現できないかな、というところから作りました。
題名は本人とプリボの生徒さんでもある妹さんが考えてくれた「暗い森に迷い込んじゃったみたい」というイメージから『黒い森』とつけました。余談ですが「黒い森」というと南ドイツの山岳地帯シュヴァルツヴァルトをイメージする方が多いと思います。この森は針葉樹が生い茂り上空から見ると黒く映ることから、その名がついたそうです。
本筋に戻ります。
中学生になってくると内面を表現する力がついてきます。いろいろな経験を経て技術力だけでなく心が成長していることを感じます。今は振り付けが終わって、作品をブラッシュアップする時期になりました。ここからは本人がどこまで作品と向き合って自分と向き合っていけるか、ですね。期待しています!