プリボのお月謝が手渡しのわけ

今時、お月謝が手渡しとは・・・と思う方が多いと思います。
その理由をお話ししましょう。

プリボが始まったばかりのころ、小学生がお月謝を私に渡すときに照れ隠しで「お金欲しい?はい!」と言って渡してきたことがありました。
まだ若くて(?)血気盛んだった私は「これはいかん!!!」と思い、子どもたちを集めて話しをしました。

お月謝というのはただのお金ではありません。みんなのお父さんやお母さんが一生懸命お仕事をしていただいたお金を「このお金でうちの子どもにダンスを教えてください」という気持ちで先生に渡してくださるお金です。先生は「はい、わかりました。大切なお嬢さんをお預かりします。ダンスを教えさせていただきます」という気持ちで受け取ります。みんなはどういう気持ちで先生に渡していますか?今日はお月謝を持ち帰っておうちで話し合ってきてください。

と言って持ち帰らせました。
たかがお稽古事、されどお稽古事。子どもたちが何かを感じて学んでくれるといいなと思いました。
次のレッスンではみんな「お願いします」と丁寧にお月謝を渡してくれました。

この話を事あるごとに保護者の方にお話ししています。家で保護者の方が子どもたちに話してくださっているのでしょう。今の子どもたちはみんな「お願いします」と渡してくれています。

それでもあまりにも時代錯誤かな、と思い保護者の方々にお月謝の口座振替を提案しました。みなさんもその方が楽になると思ったからです。
そうしたら「先生の話を聞いて、このまま手渡しのお月謝にしていただきたいと思います」というご意見が多く、今でも毎月子どもたちは「お願いします」とお月謝を手渡ししてくれています。

日本ではお金に関する教育があまりなされていません。お金のことを言うのははしたないことのような風潮がまだあります。でも、とても大切なことです。お金について学ぶことは社会について学ぶことです。キャッシュレス化が進み便利になりお金の実感がなくなってきていますが、お金の価値を学ぶ機会を子どもたちから奪っているのではないかとちょっと不安になります。大人はしっかり教える義務がありますね。ご家庭でぜひ話しあう時間を作ってみてください。