プリボのモットーは「自分が楽しいから、上手くなりたいから頑張る!という自発的な頑張りをバックアップする」というものです。
言葉にすると簡単そうに聞こえますが、実は結構難しいことなんです。
私はお稽古事は楽しくなくてはやってる意味がないと思っています。嫌々やるならやめた方がいいと思っています。そこから出発して「楽しい」→「上手くなりたい」→「だから頑張る!」という自発的な頑張りを導き出すことが、プリボの目指すところです。
音楽に合わせて踊ってばかりいれば楽しいかもしれません。でも基礎をしっかり身につけなくては「上手くなる」ことはできません。基礎レッスンを自分の意志で頑張るという気持ちをもってもらうにはどうしたらいいか。そこが一番難しいところです。
プリボを始めた20年前は「お友達と一緒で楽しい」「レオタードが着れて楽しい」という雰囲気でした。「上手くなる」という意識が出てきたのは初めての発表会をやった5年目くらいからでしょうか。お姉さんの踊りを見て「あんな風に踊れるようになりたい」と思う子たちが出てきました。「お友達と一緒だと楽しい」でも「ひとりででも頑張りたい」という子が増えてきました。そうやってお姉さんへの憧れが「上手くなりたい」気持ちを引き出していったようです。
「上手くなりたい」というスイッチが入った子は渇いたスポンジのように吸収していきます。黙々と練習します。このスイッチが入ればあとは頑張りをバックアップするだけです。
「上手くなりたい」と思う子が増えてくると「楽しい」と思っている子との差が出てきます。「楽しいから上手くなりたい」という気持ちを引き出すことが必要です。小さな課題を与えてみたり、お友だちと教えあう時間を作ったり、ちょっと難しいステップを練習させたり、色々なきっかけを作ってみます。でも結局は自分でスイッチを入れる時を待つ以外にありません。
長年レッスンをしていると、スイッチが入った時がわかるようになってきました。その時を見逃さず「ちゃんと見ているよ」というメッセージを送るようにしています。先生が見てくれているという安心感と自信がさらに頑張る力になります。
「先生に言われたから」「怒られるから」やるのではなく、「自分の意志でやるべきと思ったからやる」。これはダンスに限らずとても大切なことです。
ダンスのレッスンを通してこんなことを学んでくれていたらいいなと思います。