最後にオークニー諸島を紹介しておきます。
オークニー諸島はスコットランドの北東部にある約70の島々からなります。今回行ったのはその中のメインランド島です。オークニー諸島は長くバイキングの定住地として栄えた歴史があります。島民は「スコットランド人」である前に「オークニー人」としての意識が高く、バイキングの文化を取り入れた独自の文化を築いているそうです。
<遺跡>
メインランド島には4つの遺跡があり「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」として世界文化遺産に登録されています。今から5000年前の新石器時代の遺跡が素晴らしい状態で残されており、それぞれ間近で見ることができます。「スカラ・ブレイ」は5000年ほど前の住居跡です。壁や食器棚、などもほぼ完全な状態で残っています。「リング・オブ・ブロッガー」は環状列石です。環状列石としてはストーンヘンジが有名ですがさらに古い紀元前2500年~2000年に建てられたものと考えられます。現存するのは27基ですがもともとは60基も巨石が直径104mの円形状に並んでいたそうです。「ストーンズ・オブ・ステネス」は広い牧草地の中に4基の巨石が佇んでいます。紀元前3100年ごろに建てられたもので、もともとは12基が直径30mの楕円に並んでいたそうです。このような巨石をどのようにして運んだのか、誰が何の目的で建てたのか、まだまだ解明されていないことが多く神秘的な建造物です。もうひとつ「メイズハウ」は車の中から見ただけなので写真がなくて残念。高さ7m直径35mの円形の墳墓で、エジプトのピラミッドより歴史が古いと言われています。
<街>
私が訪れたのはカークウォールとストロムネスという街。
カークウォールはオークニー諸島の州都でオークニー諸島最大の街です。私はエジンバラからLoganairで到着しました。カークウォール空港から街までは車で10分ほど。ロストバゲッジで空港でオロオロしていたので、空港の人はみんな親切でした(;^_^A
空港を一歩出るとそこは牧場。羊や牛が迎えてくれます。カークウォールの街は古代ノルウェー人の居住地の中ではイギリスで一番保存状態が良いといわれています。街ごとタイムスリップしたような石畳の街。街の中心には砂岩でできた「聖マグナス大聖堂」があります。この大聖堂が建てられたのは12世紀。大聖堂の中は無料で入れてきれいなステンドグラスを見ることができます。
大聖堂のすぐそばには「伯爵宮殿」と「司教宮殿」の遺跡があり、街なかに突然出現する遺跡に驚きます。中に入ってみると当時の様子を説明する絵があり想像が膨らみます。
通りを挟んで大聖堂の向かいに「オークニー博物館」があります。入場無料だったので気軽に入ったのですが、石器時代からピクト人やバイキング、現在に至るまでのオークニー諸島の歴史が網羅されており、見学に30分以上かかりました。裏手には素晴らしいお庭があって癒されました。
メインの通りにはたくさんのお店があり、洋服、アクセサリーなど素敵なものがたくさんありました。おしゃれなカフェやバーがたくさんあって居心地の良い街です。
「ハイランドパーク蒸留所」は街から15分ほど歩いた丘の上にあります。ハイランドパークは世界最北のスコッチ蒸留所です。予約をせずに行ってしまったので中には入れませんでしたが、外観は威厳があって歴史を感じました。
ストロムネスは港街です。カークウォールに次いで2番目に人口が多い街です。私たちはちょっと立ち寄っただけなので写真があまりないですね(;^_^A